賃料は、マクロ的にみると(普通の状態で貸せる物件については1994年(平成6年) 7月で、一度、下げ止まった感がある。
本来であれば、賃料が下げ止まって6カ月から10カ月程度で、不動産の価格は安定し、正常な状態に戻る。
賃料が下げの状態のときは投資意欲が減退し、新規に不動産を購入しようなどという発想にならないが、賃料が下げ止まった段階では、次の投資を考える人が出てくるからである。
しかし、現在、金融機関のサポートがないために、不動産を購入したいと思っても、銀行がお金を貸してくれないので不動産は購入できない。
おまけに、「ノンバンク」にも力がない。
結局、ぐすぐずと小さく上がったり下がったりしながら、停滞しているのが現状である。
しかしながら首都圏のマンションは、ここへきて売れ行きは好調であり、坪単価は、地域によっては若干上昇すらしている。
その理由は、ここ2、 3年の間、銀行もこれ以上問題を先送りしてもしょうがないと考えて、融資先のゼネコンやディベロッパー等を支援して、高値で仕入れてしまった在庫にマンションを建築し、価格を下げて売ってしまった。
「低金利」と「低価格」そして「特別優遇税制」を背景に一次取得者層を狙った販売戦略は、うまくいった。
では、在庫が処分できたのだから仕入れに向かうかというと、どっこい、そこはシビアな「銀行」である。
もう危ないところには、お金は貸さない。
かくして在庫が減って、需要は若干見込める状態にあるから、一次取得者層向けのものは価格上昇に転じている。
東京都下でも60m2で1億円程度していたものが、現在3000-4000万円で売られている。
逆に言うと、今、都心部は狙い目である。
(3)商業地域、工業地域経済情勢に左右される商業地域、工業地域は今後もまだ下がる可能性はある。
@工業地域余談ではあるが、私の住む「横浜」には、キリンビバレッジというビール工場がある。
ここの工場ではビールの製造過程などを見学させてくれるサービスを一般に公開しており、おまけに帰りぎわにはビールやジュースなどの製品を飲ませてくれる。
また、ここでしか飲めないビール(地ビール)などをレストランで飲めたりするから、よく家族で出掛ける。
ここへ来ると分かるが、働いている人なんかぜんぜんいない。
すべてがコンピュータで動いており、コンピュータを扱う人とせいぜい機械のトラブルを処理する人が2-3人いる程度である。
驚くことにフォークリフトまで無人で動いているのである。
これを見ても、今後の「工業」に、以前のような広大な土地もいらないし、人もいらないことが分かる。
以前、地方で「工業団地」を造って企業を誘致し、雇用を確保しようという動きもあったが、現状の日本の工業技術から考えると、あまりその地方の経済に影響を与えるような期待はできないのではないか。
固有名詞はひかえるが、横浜市内の工業団地も寂しい状態である。
この工業団地は横浜市が造って企業を誘致したため、横浜市の規定にかなった業種でなければここの土地は売買できない。
かつて、 1坪当たり350万円程度した土地が、現在では80万円になっても買い手がつかない。
今もこの地域には、閉鎖した工場の跡地が売りに出されてはいるが、この不景気な時代に横浜市の条件がついた工業地域なんてなかなか売れない。
また流通が発展し、規制が緩和されつつあるので、海外で製造した製品を日本に輸出する形が多くなっている。
これは、いかにも日本企業が海外へ出て行ったようにみえるが、企業は日本国内にある。
つまり工業地域の土地を輸入しているのと同じである。
流通は、小さくて運搬経費がかからないものほど海外に出やすい。
大きくてかさばるものは流通コストが高くなるので海外に移らない。
工業地域(工場)は、日本の人件費と海外の人件費とのギャップが多いほど、海外に流れていくと言える。
例えば、某自動車工業の工場で働く人をあてにしてアパートを建てたら、海外に移ってしまってどうしようもないとか、某地方の工業団地が完成間近、予定していた企業がぜんぜん来ず、それを見込んでレストランをつくったがぜんぜん商売にならないとか、よく聞く話である。
すなわち工業地域や隣接するところは、その工業地域自体のトレンドを見ながら投資していかなければ、成功しない。
A商業地域商業地域も、工業地域とほぼ同様といえる。
しかし、最近、デパートの売り上げが若干上向いている。
スーパーマーケットに流れていた消費者がデパートに戻ってきている。
したがって、商業地域は、テナントがもう一度生き返ってくれれば見込みがある。
首都圏ではテナントが移動、または撤退し終わったところで、賃料もやや上向いてきているし、不動産価格も下がっている。
これが収益還元価格までくれば、絶対に得である。
私は、商業用の不動産の場合は表面利回りを10%以上で見ている。
そのテナントが出たときに次が入るまでのリスクはあるし、建物の外観が汚れてくると価値が低くなるので、住宅のアパート・マンションよりも減価償却を高めにみるようにしている。
(4)現状の居住系不動産は、ほとんど一次取得者層しか動いていない不動産市場は、まずマンションが最初に動きだすものである。
まず、小さいマンションが動く。
その後、小さなマンションから大きなマンションに移り、次に小さな一戸建てに移って、やがて大きな一戸建てを買う。
住居についてはここで満足して、次には、アパート・マンションの投資物件を買ったりする。
バブル期には、小さいマンション(2DK、 50m2程度)でさえ買えなかったが、現在は、いきなり大きなマンション(3LDK、 80m程度)が買える。
例えば、京浜急行の弘明寺にある某マンションなどは、バブル当時、 83m2の3LDKが5200万円もしたが、現在2000万円くらいで買える。
このくらいまで下がってしまえば自己資金なんて300万円もあれば買えるから、結局、小さいマンションが売れなくなっているのである。
そこでお勧めなのが、この小さめな2DK、 2LDKクラスのマンションである。
一般的な家庭の人は、ここを飛び越して3LDKにいってしまうから、需要は少なく、価格も異常に下落している。
そこで不動産投資を行う人は、このような物件の中から条件のよいもの選択して購入するとよい。
賃料8万円くらい取れるものが、 1200万円くらいで買えたりする。
表面利回りで単純に8%というのは、かつてワンルームマンションでも難しかった。
それが、いまでは2DKマンションで実現するのである。
また「単身者」の人にも、このような物件をお勧めする。
例えば、一人暮らしでワンルームのアパートかなんかを6万円も出して借りているようなら、ちょっと自己資金を貯めて1200万円くらいのものを1000万円のローンで買えば月々の支払いはたったの4万円くらい(30年元利均等払い2.625%)である。
仮にこのようなところに住んでいて、将来、広いところに移りたいときは、これを売らずに賃貸で人に貸してしまえば、立派に大家さんの仲間入りである。
また投資でマンションを購入する場合、公営賃貸住宅の世帯数の多い地域で、同一学区内のものも、将来売りやすい、という面ではお勧めする。
市営住宅は年収が規定以上になると出なくてはいけないが、子供の学区は変えたくないということで、同一学区内で買い得ちとなる。
また公団はこんな時期でも傾斜家賃である。
この辺でも一番高く払っている人は、 2DKで10万円くらい支払っている。
それなら公団なんかに住むより近くのマンションを買ったほうがよい、ということになる。
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